- はじめに
ローグリップタイプのステアリングの研究を踏まえて発明された、1つのバーの左右両端に球状のグリップを設けたという超シンプルな形状のバトンタイプステアリングには、従来のステアリングと比較してどのような特徴があるのかを以下の二つの例で説明します。
- バトンタイプステアリングの特長 その1
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”手首のスナップの力を加えて回転できる。”
従来のステアリングと比較してより繊細で大胆なコントロールが可能となります。
ホイール式やヨーク式などの従来のステアリングの場合、グリップする時はステアリング
ホイールの外側からステアリングホイールへ向けて広げた手のひらでグリップする訳なの
で、手のひらの向きはホイールの中へ向かっていて、手首のスナップの力の方向も、同様にステアリングホイールの円の中へ向かっています。
この状態で、ステアリングホイールを回転させるにはステアリングホイールをグリップしな
がら上方向へ回転か下方向へ回転させる事が必要になる訳ですが、手のひらの方向は上
方向や下方向への回転方向のどちらへも向いていないので、手首のスナップの強い力を利用し
てステアリングを回転させる事は出来ません。
この点、バトンタイプステアリングのグリップはあらゆる方向へ凸状の部分がある球状なので、上方向へも下方向へも凸状となっている訳で、下図のように、直進状態で下方向へ向けて広げた左の手のひら
で、グリップの上から上方向へ凸状の部分をグリップして下方向へ回転、又、上方向
へ向けて広げた右手の手のひらでグリップの下から下方向へ凸状の部分をグリップして上方向へ
回転させるこれらの時は、手のひらの向いている方向と回転させる方向とは同じなので
、手首のスナップの力を加えて回転させる事が可能になり、より確実に安定したステアリ
ングコントロールができる事になります。
なお、横からグリップしているだけでも、手のひらで包み込んだグリップの形が球状なの
で上下方向への動きに十分に対応できるでしょう。
又、上からのグリップから下からのグリップへ変更するのも瞬時に対応可能でしょう。す
なわち、下へ回そうと思った瞬間に手のひらは下を向くでしょう。
この様にバトンタイプステアリングは手首のスナップの力を利用したステアリングコントロールが可能となるの
で、F1カーや戦車など、安定して確実で緊急なステアリング操作が必要な車両に特に向
いています。
- バトンタイプステアリングの特長 その2
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”新時代のステアリングコントロール方法”
従来のステアリングのコントロールの基本は、グリップした場所から引力の力も利用して
下へ腕を下しながら回すのを基本としているようです。ネットの中でもグリップをするのは
10時10分の位置にする、という方法がもっとも多いし、大方の人もそのような方法を
とっているようです。
実は、この方法で下方向へ回す場合とは、実は左折する時には左手を、右折の時は右手をメイン
で使うという場合となります。
確かに、上図のように、左折をする時に10時の位置の左手は動かせる距離も大きく、腕の重さも利用
してかなり楽に回しやすいのですが、しかし右手は腕がクロスしてしまうのでそれ程容易に強く
大きくは動かせません。
しかし実は、この時、あらかじめ右手でステアリングホイールの下の方をグリップしてお
くと、かなり快適にコーナリングが出来るのです。
すなわち、カーブが近づいて来たら上図に示す様に、あらかじめ左手はステアリングホ
イールの上の方へ、右手はステアリングホイールの下の方のローグリップ位置へ移動してお
くと、両手で安定したコーナリングが可能となるのです。
そしてこの状態で、左手は上から下方向へ回転、右手は下から上方向へ回転さ
せるのが最も力を効果的に両手を使って左折コーナリングする方法となります。
これは実際にやってみるとすぐ直感的に理解できます。
バトンタイプステアリングで左折する場合にこれを応用し、下図に示す様に左手はグリップの上からグリ
ップして下方向へ回転、右手はグリップの下からグリップして上方向へ回転さ
せる事で、安定して効果的に左右の手の力を使いながらのコーナリングが可能になります。
この様なグリップの変更作業は、ステアリングがホイール形状の場合、手をホイールに沿ってある程度の距離を移動させる必要がありますが、バトンタイプステアリングのグリップは球状なので、同じところをグリップ
したままほとんど無意識のうちに素早く自然にコントロー
ル可能となるでしょう。
すなわち、その1とその2の事からバトンタイプステアリングならば、あらかじめ手の持ち替えをせず、同じ場所をグリップしたまま
でも安定して効果的に左右の手の力を使いながらのコーナリング方法である、新時代のステアリングコント
ロール方法に対応できるのです。
- ヨーク式ステアリングやOTEDAMA OTLG-03の使い方
”新時代のステアリングコントロール方法と同様のビデオ例”
ところで、バトンステアリングのサンプル品も未だ無いので「新時代のステアリングコントロール方法」の映像も未だ無いのですが、実は
前ページ「ローグリップタイプ」冒頭で紹介したテスラのヨークステアリングで運転しているビデオ(↓)では、偶然にも正にここで紹介した「新時代のステアリングコントロール方法」とほとんど同様のやり方でコントロールしている事が判明いたしました。
ビデオでは本人が言っているように、ヨーク式ステアリングを長方形構造として認識しているようです。そして、ヨーク式ステアリングなのに殆どヨーク式にはグリップしないで、ノーマルグリップポジションとローグリップポジションの間を手を滑らしながら、バトン式と同じように上から下へ、下から上へを左右で分担しながら、時には片手だけで、正にここで紹介した方法とほとんど同じやり方でコントロールしています。
例えば左折する時には、左手でノーマルグリップポジションをグリップしながら下方向へステアリングを回転させ、同時に右手ではローグリップポジションから上方向へ回転させ、左手がグリップしにくくなったら左手は開放してその後は、右手で手のひらを押し当てる風にしながら回転させます。そして、必要に応じてグリップポジションの間を手のひらを滑らしてグリップポジションを変更します。
すなわちこのようなヨーク式ステアリングは、当然ヨーク式にグリップしたくなるのですが、実はそうはしないで、もしステアリングがホイール形状だと上記の様なグリップポジションの変更作業には、ある程度の距離を移動させる必要がありますが、このステアリングはヨーク形状なので移動する距離はより短いし、上下グリップする場所もホイール形状よりもグリップし易い形状なので、ここで紹介したバトン式と同様の「新時代のステアリングコントロール方法」が可能となっているのです。
映像を見ると大変スムースにクイックに時には片手でステアリングをコントロールしているのが分かります。正に、新時代の自動車の「新時代のステアリングコントロール方法」といった感じではないでしょうか?
であれば、ヨーク式の形状にこだわる必要はないので、ヨーク形状よりもグリップの変更作業がやり易い形状のステアリングは、OTEDAMA OTLG-03となります。
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